2026/09/21
木造住宅の耐震補強リノベ費用・補助金ガイド【2026年版】
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目次 ※タイトルからジャンプできます
1. 旧耐震基準の木造住宅が抱えるリスクとは
2. 耐震診断の流れと費用|無料でできるケースも
3. 耐震補強工事の8工法と費用相場
4. 補助金・助成金を活用して実質負担を減らす方法
5. まとめ
結論:旧耐震基準(1981年6月以前)の木造住宅は評点1.0未満が97.4%に達し、震度6強で倒壊リスクが高い状態です。耐震補強の工事費用は平均約189万円ですが、自治体補助金+長期優良住宅化リフォーム推進事業(最大250万円)を組み合わせると実質負担を大幅に圧縮できます。
「自宅の耐震性が心配だけど、どこから手をつければいいかわからない」――そう感じている方は多いのではないでしょうか。
2024年の能登半島地震では多くの旧耐震基準の木造住宅が倒壊し、耐震補強の重要性が改めて注目されています。さらに、政府は南海トラフ巨大地震の30年以内発生確率を60〜90%程度以上と公表しており(2025年改訂。出典:日本経済新聞)、対策を先送りにするリスクはますます高まっています。
この記事では、耐震診断の手順・費用から補強工事の8工法・費用相場・補助金の最新情報・2026年建築基準法改正の影響まで、診断から工事完了まで必要な知識をすべて解説します。
旧耐震基準の木造住宅が抱えるリスクとは

旧耐震基準(1981年6月以前に建築確認を受けた住宅)の97.4%が耐震評点1.0未満であり、震度6強以上の地震で倒壊するリスクがあります。(出典:首都圏リノベーション)現在の新耐震基準は「震度6強〜7の地震でも倒壊・崩壊しない」ことを要求していますが、旧耐震基準はその水準を大きく下回っています。
1981年6月1日の建築基準法改正を境に、それ以前を「旧耐震基準」、以降を「新耐震基準」と区別します。旧耐震基準は「震度5程度の地震で倒壊しない」という基準で、新耐震基準の「震度6強〜7でも倒壊しない」より大幅に低い水準です。さらに、1981〜2000年に建てられた建物は「新耐震基準」に当たりますが、接合部(柱と梁の金物)の規定が2000年の法改正で強化されており、この時期の住宅も注意が必要です。
旧耐震の家は地震でどれくらい危険ですか?
旧耐震基準の木造住宅は、震度6強〜7の地震で倒壊・崩壊する可能性が非常に高い状態です。国土交通省の調査によると、阪神・淡路大震災で倒壊した住宅の約9割が旧耐震基準の建物でした。また2024年能登半島地震でも、被害の大きかったエリアの倒壊建物のほとんどが旧耐震基準の木造住宅でした。自分の家が1981年6月以前に建てられていれば、早急に耐震診断を受けることをおすすめします。
ポイント1 2026年建築基準法改正で何が変わったか
2026年4月1日に区分所有法・マンション再生円滑化法が改正施行され、旧耐震マンションの建替え賛成要件が「5分の4→4分の3」に緩和されました。(出典:build-app NEWS)木造戸建てに直接適用される条文ではありませんが、この法改正は「旧耐震建物は社会的リスクとして対処すべき」という政策方針の表れです。旧耐震住宅は売却時の資産評価においても新耐震住宅と比べて不利になるケースが増えており、将来的な売却や相続を考えるならば耐震補強は早いほど得策です。
このセクションのポイント
- 旧耐震基準の木造住宅の97.4%が耐震評点1.0未満で倒壊リスクあり
- 南海トラフ巨大地震は30年以内に60〜90%程度以上の確率で発生すると政府が公表(2025年改訂)
- 2026年法改正で旧耐震建物への対策要件が厳格化され、資産価値にも影響
耐震診断の流れと費用|無料でできるケースも

耐震診断は多くの自治体が無料または1〜7万円の補助付きで実施しており、まず自治体窓口に問い合わせるのが最初のステップです。民間の建築士に依頼する場合は5〜20万円程度かかりますが、補助制度を活用すれば自己負担を大幅に抑えられます。
耐震診断は誰に頼めばいいですか?費用はかかりますか?
耐震診断は「木造住宅の耐震診断と補強方法」(日本建築防災協会)に基づく資格を持つ建築士が実施します。多くの自治体では無料〜7万円程度の補助付き耐震診断を実施していますので、まず市区町村の建築・都市計画課に問い合わせてください。診断結果は「耐震評点」として数値化され、1.0以上で「一応倒壊しない」、0.7以上1.0未満で「倒壊する可能性がある」、0.7未満で「倒壊する可能性が高い」と判定されます。
ポイント2 耐震診断から補強工事までの全体フロー
耐震補強の全体フローは「①自治体へ問い合わせ→②耐震診断(1〜2ヶ月)→③診断結果・補強計画の確認→④補助金申請→⑤工事(1〜3ヶ月)→⑥完了検査・補助金精算」の順で進みます。補助金申請は工事着工前が原則のため、業者選定と並行して自治体の窓口で手続きを進めることが重要です。補助金の申請期間は年度内(3月末)で締め切られるケースが多いため、秋〜冬に相談を始め、翌春の工事着工を目指すスケジュールが理想的です。
このセクションのポイント
- 耐震診断は自治体補助で無料〜7万円程度。まず市区町村の窓口に問い合わせる
- 補助金申請は着工前が原則。年度内(3月末)の締め切りに注意
- 診断結果の耐震評点が1.0未満なら早期の補強計画が必要
耐震補強工事の8工法と費用相場

耐震補強工事の費用は平均約189万円(範囲:50〜250万円)で、築年数や構造状態によって大きく異なります。(出典:リフォームガイド)リノベーションと同時施工すれば仮住まい費用・解体・養生・職人の重複コストが省けるため、単独工事より費用を抑えられるケースが多いです。
| 工法 | 概要 | 費用相場(目安) |
|---|---|---|
| ①耐力壁(合板)増設 | 壁に構造用合板を張って横揺れに抵抗する壁を増やす | 20〜50万円/箇所 |
| ②筋交補強 | 既存の筋交を増強または新規設置。比較的低コスト | 5〜20万円/箇所 |
| ③金物補強(接合部) | 柱と梁・土台の接合部に専用金物を設置。2000年以前の住宅に特に有効 | 1〜3万円/箇所 |
| ④基礎補強(ひび割れ修復・鉄筋挿入) | 無筋基礎に鉄筋を追加する工法。旧耐震建物の多くが対象 | 50〜120万円 |
| ⑤屋根軽量化 | 重い瓦屋根をスレートや金属に葺き替えて重心を下げる | 80〜200万円 |
| ⑥制震ダンパー設置 | 壁内に振動吸収装置を設置。耐力壁補強と組み合わせると効果大 | 20〜60万円/基 |
| ⑦外壁耐震補強(フレーム補強) | 外側から鉄骨フレームや補強壁を設置する工法 | 100〜300万円 |
| ⑧床下換気・土台補修 | 床下腐朽・シロアリ被害を補修し土台強度を回復 | 30〜80万円 |
ポイント3 築年数別の工事費の目安
築年数が古いほど工事費は高くなる傾向があります。(出典:リホームナビ)昭和36〜40年築の住宅は平均234万円、平成8〜12年築は約113万円と、2倍以上の差があります。古い住宅ほど基礎が無筋コンクリートだったり、土台が腐朽していたりするケースが多く、補修の範囲が広がるためです。診断結果に基づいて優先順位を決め、「基礎補強→接合部金物→耐力壁増設」の順で対応するのが一般的な進め方です。
耐震補強とリノベーションを同時にやると費用はどう変わりますか?
耐震補強とリノベーションの同時施工では、単独で実施する場合と比べて総費用を15〜30%削減できるケースがあります。理由は、解体・養生・仮住まいなどの共通費用が1回分で済むためです。たとえば内装リノベーションの際に壁を開ける機会を利用して耐力壁を増設すれば、壁の復旧工事を別途行う必要がなくなります。耐震補強だけを先に行い、後からリノベーションをすると同じ壁を2度開け閉めすることになるため、計画段階から同時施工を前提に設計することをおすすめします。
このセクションのポイント
- 耐震補強工事の平均費用は約189万円。築年数・工法の組み合わせで50〜250万円の範囲
- 「基礎補強→接合部金物→耐力壁増設」の優先順位で対応するのが基本
- リノベーションと同時施工で総費用を15〜30%削減できるケースがある
補助金・助成金を活用して実質負担を減らす方法

耐震補強工事には国・自治体の補助金が複数あり、うまく組み合わせると総費用の50〜70%を補助でまかなえるケースがあります。主要な制度として「自治体独自の耐震改修助成(工事費の23〜50%補助)」と「長期優良住宅化リフォーム推進事業(最大250万円)」があります。いずれも着工前の申請が原則のため、業者選定と同時並行で手続きを進めることが必要です。
| 制度名 | 補助上限 | 主な条件 |
|---|---|---|
| 自治体耐震改修助成(東京都・各区市町村) | 工事費の23〜50%(上限50〜100万円程度) | 旧耐震基準の木造住宅・診断実施済み |
| 長期優良住宅化リフォーム推進事業 | 最大250万円 | リフォーム後に長期優良住宅の基準を満たすこと |
| 子育てエコホーム支援事業 | 最大60万円 | 18歳未満の子を持つ世帯または夫婦どちらかが39歳以下 |
| 住宅ローン減税(耐震改修) | 工事費の10%(最大25万円)を所得税控除 | 新耐震基準相当以上への改修 |
ポイント4 補助金申請の手順と注意点
補助金申請は「①自治体窓口で事前相談→②耐震診断→③補助金申請(着工前)→④工事着工→⑤完了報告・精算」の順で行います。複数の補助制度を併用する場合は、それぞれの申請先・締め切りが異なるため、一覧表を作成して管理することをおすすめします。また、補助金の交付決定が下りる前に工事に着手してしまうと補助金が受けられなくなるため、焦らず手続きを進めることが重要です。
旧耐震の家の売却・相続で資産価値への影響はありますか?
旧耐震基準の住宅は新耐震基準の住宅と比べて売却時の査定評価が低くなる傾向があり、住宅ローン審査でも不利になるケースがあります。耐震補強工事を実施して耐震基準適合証明書を取得すれば、買主が住宅ローン控除を利用できるようになり、売却がスムーズになります。また、耐震補強工事後に長期優良住宅の認定を取得できれば、固定資産税の軽減措置も受けられます。将来の売却・相続を見据えた場合でも、早期の耐震補強は資産保全の観点から有効な投資です。
このセクションのポイント
- 補助金を組み合わせると工事費の50〜70%を補助でまかなえるケースがある
- 補助金申請は着工前が原則。複数制度の申請期限を一覧管理することが重要
- 耐震基準適合証明書の取得で売却時の住宅ローン控除対応・資産価値維持が可能
まとめ
旧耐震基準(1981年6月以前)の木造住宅は、現在の耐震基準を大きく下回る住宅が大多数を占めており、南海トラフ巨大地震をはじめとする大規模地震への備えが急務です。耐震補強リノベーションの流れは「①自治体への問い合わせ→②耐震診断(補助あり)→③補強計画・補助金申請→④工事(リノベと同時施工が理想)→⑤完了検査・精算」のステップで進めます。
工事費の平均は約189万円ですが、自治体助成や長期優良住宅化リフォーム推進事業(最大250万円)を活用することで実質負担を大幅に減らすことができます。また、リノベーションと同時施工することでさらに15〜30%のコスト削減が見込めます。2026年の建築基準法・区分所有法改正で旧耐震建物への対策要件が厳格化されており、売却・資産価値の観点からも早期対応が得策です。
まずは自治体の無料耐震診断制度を活用して自宅の現状を把握し、補強計画を立てることから始めてみてください。専門家への相談は無料で受け付けているケースがほとんどですので、ぜひ気軽に問い合わせてみましょう。
よくある質問
Q1. 旧耐震基準の家はリノベーションで耐震等級3にできますか?
A. 建物の状態によりますが、耐力壁の大幅増設・基礎補強・接合部金物の全面交換などを組み合わせることで耐震等級3の取得を目指せるケースがあります。ただし、耐震等級3は「震度6強〜7の1.5倍の地震力に耐える」高い基準であるため、既存建物の状態によっては構造的に難しい場合もあります。まず耐震診断を受け、専門家と相談の上で目標等級を設定することをおすすめします。
Q2. 耐震補強工事だけで100万円以下に抑えることはできますか?
A. 比較的状態の良い住宅で、筋交補強・接合部金物の設置に絞った工事であれば100万円以下に抑えられるケースもあります。ただし、基礎補強が必要な場合や耐力壁の増設が多数必要な場合は追加費用がかかります。自治体補助金を活用すれば実質負担額を大幅に抑えられますので、診断結果をもとに業者と費用計画を立てることが重要です。
Q3. 耐震補強工事の期間はどのくらいかかりますか?
A. 工事内容にもよりますが、標準的な耐震補強工事は1〜3ヶ月が目安です。筋交補強・金物補強のみであれば2〜4週間で完了することもありますが、基礎補強を含む大規模な工事は2〜3ヶ月かかる場合があります。リノベーションと同時施工の場合は、内装工事期間(2〜4ヶ月)と並行して進めるため、全体の工期はリノベーションの規模に合わせます。
Q4. 2026年の法改正で旧耐震の家の売却に影響はありますか?
A. 2026年4月の区分所有法改正は主にマンションへの影響ですが、旧耐震の木造住宅も売却時に耐震性能の説明が義務付けられる方向で行政指導が進んでいます。耐震改修工事を行い耐震基準適合証明書を取得しておくと、買主が住宅ローン控除を利用できるため売却がスムーズになります。早期の耐震補強が資産価値維持につながります。
Q5. 耐震診断を受けてから工事完了まで全体でどのくらいかかりますか?
A. 耐震診断(1〜2ヶ月)→補強計画・補助金申請(1〜2ヶ月)→工事(1〜3ヶ月)を合計すると、相談開始から工事完了まで半年〜1年程度かかるのが一般的です。特に補助金の申請は年度内(3月末)の締め切りがあるケースが多いため、秋〜冬に相談を開始して翌春の工事着工を目指すスケジュールが理想です。
監修:株式会社ビスタ
東京都練馬区を拠点に、中古マンション・戸建てのフルリノベーションから水回り・断熱の部分リノベまで対応。施工実績豊富な専門スタッフが、補助金活用から物件選びまでワンストップでサポートしています。
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この記事を書いた人
代表取締役橋本 純
リノベーションを人生最高の体験に!
リノベ会社経営10年以上|累計施工実績10000件
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