2021/11/16
リノベの定番!躯体現しの注意点とメリット
躯体現(あらわ)し仕上げってなに?
「あらわし仕上げ」とはその名の通り、本来は仕上げ材で隠蔽されてしまう構造部分を、あらわ(露出)して仕上げる表現方法です。
無骨でインダストリアルな雰囲気のお部屋にぴったりなほか、塗装を施したりすることで空間にアクセントをつけることもできます。
でも、コンクリートむき出しの壁や天井って大丈夫かな?なんか寒々しいし・・・。
そんな不安がある方もいらっしゃるかと思います。
今回はそんな躯体あらわし仕上げの疑問について深掘りしていきます。
正しい知識を身に付けて、おしゃれで機能的なリノベーションを実現しちゃいましょう!
躯体あらわしのメリット
デザイン性
コンクリート壁や天井そのものがインダストリアルなアクセントになります。
タイルや珪藻土といった様々な住宅素材との相性も良く、素材同士がお互いを引き立てるシナジー効果を生み出します。
特に無垢フローリングなどの木材と躯体あらわしの取り合わせはリノベーションの王道と言って良いかもしれません。
有機的な素材と無機的な素材のコントラストが空間を一層際立たせます。
天井が高くなる
こちらは工法によって限定されてしまいますが、天井を躯体あらわしにして配管などを露出することで天井高を確保することができます。
マンションの施工には天井にクロスなどを直張りするケースと、二重天井や梁を作り、配線や配管をすっきり見せる工法に分かれます。
あえて配線や配管を露出することで無骨な雰囲気が出るだけでなく、それまでよりも開放的な空間を作り出すことができます。
天井高を広く取れたことで、室内全体に開放感がアップ。
ミニマルで自由な暮らしにぴったりと合うデザインへ。
躯体あらわしの疑問
寒くないの?断熱性は?
素材自体としては、コンクリートは木よりも熱を伝えやすいため断熱性能は低いです。
意外に思う方もいるかもしれませんが、木の断熱性能はコンクリートの10倍程度とされています。
マンションの断熱は、全体構造の内側(室内側)に断熱材を入れる「内断熱」と、外側(屋外側)に断熱材を入れる「外断熱」の2種類があります。
内断熱を施している場合は、躯体あらわしにすると断熱材も撤去しなくてはならないため、部屋全体の断熱性能が落ちてしまう危険性があります。
物件調査の段階で、「躯体あらわしをデザインに取り入れた場合、住宅性能に影響を与えないか」をしっかり確認することが成功へのポイントです。
粉がパラパラと落ちてくる?
コンクリートを石などでこすると、細かい粉が出てきます。
古いRC造で壁や天井を躯体あらわしにした場合、劣化したコンクリートの粉や長年蓄積したほこりなどがパラパラと落ちてくるケースがあります。
これを防ぐために、天井や壁に「防塵塗装」を施す方法があります。
防塵塗装によって振動などで埃や粉が落ちてくるのを防ぐことができるだけでなく、コンクリートの風化を防ぐこともできます。
床も躯体あらわしにできる?
マンションでは、下階に足音などが響くのを防ぐために、管理規約によって「遮音等級」が定められているケースが多くあります。
フローリングやカーペットを変更する際も、定められた遮音等級をクリアした建材の組み合わせ・工法を使うことが求められます。
したがって、床を躯体あらわしにすることはおすすめしません。
床材に遮音の下地処理を施し、モルタルやタイルなどを使って土間風に仕上げる、などは可能です。
音が反響する?
本来壁や天井には石膏ボードなどの下地材が入ります。
これらが一切なくなることで、音の反響は大きくなります。
天井も壁も全てを躯体あらわしにしてしまうと、洞窟のように音がこもってしまいます。
アクセントとして壁の一面だけ、あるいは天井だけ躯体あらわしにするのは、生活していてそこまで気にはなりません。
まとめ
躯体あらわしはRC物件のリノベーショントレンドだけでなく、近年の戸建て注文住宅でも取り入れられるようになりました。
ただし、どの部分でもあらわしにできるとは限らないということは知っておきましょう。
物件の状態や叶えたい暮らしによって注意すべきポイントがありますので、不動産会社や施工会社としっかり相談しながらプランニングしましょう。
弊社では物件探しから設計施工までを一社完結で請け負っていますので、リノベーションの疑問は何でもお気軽にお問い合わせ下さい。
最後までご覧いただきありがとうございました!
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